公務員試験の倍率は?職種・区分ごとにしっかりチェック
国家公務員、地方公務員になるためには公務員試験が必須です。
年間50万人もの人が受験するという公務員試験の倍率はどれくらいなのでしょうか。
公務員試験にも様々な職種があり、人気のある職種は倍率が高く、逆にあまり人気のない職種が低くなることは当然です。
倍率が高ければ高いほど難易度は高くなります。
希望の職種の倍率を知っておくことは事前準備のためにも重要な要素です。
本記事では公務員試験の倍率について詳しく解説致します。
公務員試験の倍率
公務員は国家公務員、地方公務員に分かれており、近い立場にはみなし公務員もあります。
それぞれ試験内容や試験の時期が違い、公務員への就職・転職を目指す人は希望の職種へ合わせた計画性が必要です。
試験の倍率も計画を立てるためには欠かせない項目です。
公務員試験の倍率は平均すると5倍~6倍です。
そこまで高い倍率ではないと感じる人もいるでしょう。
しかしこれはあくまで平均で、職種によって大きく異なっているケースが多々あります。
また、大卒(または大卒相当)、高卒(または高卒相当)といった受験資格における区分内でも違いが生じます。
たとえば国家一般職の倍率を見てみましょう。
・大学卒業程度:3.1倍
・高校卒業程度:4.5倍
難関大学や民間企業では10倍という倍率も珍しくない中、意外に低い倍率であることが分かります。
本気で国家公務員になりたいと願っている人にとってはチャンスなのかもしれません。
しかし、倍率が低くなっているからといって出題される問題の難易度が低くなるわけではないため、しっかりした対策が必要であることには変わりありません。
次に地方公務員の事務職(行政)を見てみましょう。
地方公務員の中では人気のある職種です。
地方ごとに倍率が異なるため、ここでは東京都を取り上げます。
・大学卒業程度:4.7倍
・高校卒業程度:13.0倍
高校卒業程度の倍率は13.0倍と高倍率をマークしていますが、大学卒業程度になると4.7倍と、人気の職種でも低い倍率です。
人口が多く、受験者が殺到してもおかしくないと考えられる東京都でもこの倍率です。
地方によっては2~3倍というケースもあるため、地方公務員になりたいのであれば狙い目だといえる状況です。
さらに、試験を受ける人全員が本気で公務員になりたいと思っているわけではないことも考えられます。
記念受験、あるいは企業の滑り止めのために受験する人もいるでしょう。
とくに近年、新教養試験に生まれ変わった教養試験には、民間企業との併願もしやすいクラスの「Logical」が設けられています。
民間企業と公務員で迷っている人が受験し、最終的に民間を選ぶというケースもあるでしょう。
倍率が高くても必要以上に心配することはありません。
警察官・消防士・市役所の倍率は?
人気の職種の警察官・消防士・市役所の倍率を見てみましょう。
大卒、高卒に分かれているほか、警察官は男性と女性にも分けられています。
まずは警察官からです。
・警察官男性(大卒):4.6倍
・警察官女性(大卒):5.5倍
・警察官男性(高卒):7.2倍
・警察官女性(高卒):6.5倍
大卒よりも高卒のほうが、倍率が高い傾向が分かりますが、それでも「とんでもない高倍率だ!」というほどではありません。
とはいえ、警察官はほかの公務員と違い、身体的な要素も試験内容に入ります。
机の上の勉強以外にも対策するべきことが多く、準備期間は密度の濃い計画が必要になるでしょう。
次に消防士の倍率を見てみましょう。
消防士は近年人気が高まっており、そのため倍率が上がっています。
東京消防庁では区分や年度によっては非常に高くなり、採用人数の少ない地方ではそれ以上になることも珍しくありません。
ここでは東京消防庁をピックアップしてみましょう。
東京消防庁では専門、Ⅰ類~Ⅲ類の区分で受験資格が分かれています。
専門とⅠ類は大卒、Ⅱ類~Ⅲ類は学歴要件を含まず、年齢による分類です。
それぞれの倍率は以下の通りです。
・専門(大卒・29歳以下):8.5倍
・Ⅰ類(大卒・29歳以下):1回目6.8倍、2回目6.3倍
・Ⅱ類(29歳以下):6.6倍
・Ⅲ類(21歳以下):7.7倍
こう見るともっとも高い専門の8.5倍でも、やはり絶望的に高い倍率ということではなさそうです。
しかし警察官と同様、勉強知識以外にも求められる身体的要件があるため、事前対策には念入りな計画性が必要だといえます。
次に市役所の倍率です。
市役所も人気のある職種であり、毎年の倍率が気になるところです。
ここでは横浜市の市役所行政(事務)、大卒・高卒についてチェックします。
・大卒:6.6倍
・高卒:13.5倍
高卒の倍率は10倍を超えています。
一方、大卒はそこまで高いわけではないものの、やはり気を抜くには難しい倍率です。
さらに市役所は二次試験に設けられている面接が非常に厳しい傾向にあるため、知識的な勉強とともに面接対策が欠かせません。
公務員試験は倍率を見るだけでも事前準備の計画性が重要であることが分かります。
職種ごとの対策をしている予備校に通うほか、自分に合った参考書や過去問を解き、そして面接練習で徹底的な対策を立てましょう。