これも公共?意外な職種と実際に公務員として働く人の気持ち
一口に公務員と言っても、様々な立場があります。国家公務員、地方公務員をはじめ、中には「この仕事も公務員だったんだ!」と驚くような職種もあるでしょう。それほど公務員は国や自治体、ひいては市民を守る仕事を多岐にわたっておこなっています。
また、公務員を志す人にとって気になる1つとして、「実際に働いてみたらどうだったのだろう?」ということがあるでしょう。働く環境や働いている人の感想は、これからの自分のためにも大切な資料です。
本記事では公務員の意外な職種や、実際に働いてみた人の感想について詳しく解説致します。
この立場も公共だった!意外な職種は
公共の仕事、つまり公務員というと国家公務員、地方公務員という言葉が真っ先に浮かぶ人も多いでしょう。職種は幅広く、いわゆる省庁の役人、自治体の役人といった、国民や地域の人の暮らしに関わる仕事が大多数です。警察官や消防士、公立学校の先生も公務員にあたり、毎日の生活の中で見かけたり、関わったりすることが多い存在です。
一方で、「この仕事も公務員なのか」と意外に思う職種もあります。たとえば医療従事者ですが、公的機構が管理する公的な病院へ就職すれば、公務員、またはみなし公務員としての立場で働くことになります。
医療従事者にも国家公務員と地方公務員の違いがあります。たとえば、厚生労働省が管理するに勤務すれば国家公務員、都道府県立病院なら地方公務員です。より福利厚生が手厚い環境で働きたければ、このような医療施設で働くと良いでしょう。なお、赤十字病院や、国立病院機構が管理する国立病院は「みなし公務員」としての立場で採用されます。
医療従事者以外では、防衛大学校の学生が公務員にあたります。学生として勉学に励む立場ですが、国家公務員として給与を得る立場です。ボーナスも支給されます。学生であっても国家公務員として扱われるため、高い自覚や一般の大学生よりも厳しい生活が求められるようです。
防衛大学校の学生と同じく、海上保安学校学生も学生でありながら国家公務員にあたります。将来的に海上における犯罪の取り締まりや、海の環境を守る重責を担う職務を遂行する立場になるため、防衛大学校と同様、やはり高い自覚、厳しい生活が基本になります。
航空管制官も、公務員です。空港でパイロットと会話しながら誘導をする、想像以上に高い知識や技術、思考・処理能力を求められる仕事です。空港や航空会社が雇用しているわけではなく、国家公務員として勤務しています。公務員試験の中でも非常に難易度が高いのですが、憧れる人も多い魅力的な職業でもあります。
どんな職種でも、働く人はメリット・デメリットを感じる
身近な存在に感じられる自治体職員から、意外な職種まで、公務員として働く人は数多くいます。働く人の数だけ感想の数もあるでしょう。同じ職種でも、メリットを強く感じる人、あるいはデメリットに目が向く人もいるものです。
公務員として働く人・働いていた人は、まずメリットとして「やりがい」を挙げることが多いようです。国民や市民の生活を守ったり、利便性を高めたりと、公務員だからこその事業や施策に関わる業務内容が、そのやりがいをもたらします。実際、公共の立場で働く人がいるからこそ、国民・市民は平等な恩恵が受けられることは間違いありません。
民間企業の手本となるべき立場でもあるため、労働環境や福利厚生が充実していることもメリットだと言えます。民間で言うなら「ホワイト」な労働環境が遵守されており、ワークバランスの保ちやすさが良いという声も少なくありません。
一方で、デメリットだと感じることもあるようです。公務員は異動が多く、そのたびに新しい環境や人間関係に気を遣わなければならないということや、じっくりと腰を据えて、実現したいプロジェクトに着手しにくいという一面があります。
また、新しいことよりも古くからの慣習が重視される職場もあるようです。新しい刺激や効率を重視する人にとってはデメリットだ、という感想も。実際に働かなければ分からないことも多いのですが、民間のベンチャーのような雰囲気からは遠いと考えておいたほうが良いでしょう。
ただ、安定性に関しては、多くの人がメリットだと感じています。安定性は公務員の魅力の1つです。民間企業なら不景気でリストラがおこなわれますが、公務員は基本的にリストラが禁止されています。過去に財政破綻を起こした夕張市ですら、自主退職はあったものの、リストラには至りませんでした。
前述の「ホワイト環境」に関しても、「実際に働いてみたらまったく違った」ということもあるようです。配属先の部署によっては非常に忙しく、9時~17時の勤務ではとても終わらない仕事量を抱えることも。「絶対にホワイト環境で働きたい!」という人は、先輩公務員や口コミサイトなどから、情報を収集してみると良いでしょう。
様々な職種、意外な職種がある公務員ですが、実際に働くまではメリットやデメリットが分かりにくいものです。多くの情報を集め、目指す職種がライフプランに合うのかどうかを考えて、公務員試験に向けて対策を立てていきましょう。