就職・転職で公務員を目指す人が気になることの中には、仕事の内容や職場の雰囲気があるでしょう。安定している、福利厚生が充実している…というメリットを聞く一方、 世間では「民間とは違う雰囲気」という声もあります。

「どう違うんだろう」、「馴染めるだろうか、心配」。という気持ちを持ったとしても、当然です。働くのならできるだけ心地良い環境が良いのは公務員でも民間企業の社員でも同様でしょう。 どのような環境・雰囲気で、一体どんな仕事をするのかを知っておきたいものです。

本記事では、公務員の仕事の内容や職場の雰囲気について、詳しく解説しています。

公務員の職場・労働環境は？

公務員に限らずですが、やはり気になるのは職場の雰囲気です。長く働くことになるかもしれない場所ですから、可能な限りストレスが少ない環境が良いと考えるでしょう。

公務員の環境は「良い」と言う経験者がほとんどです。まず、公務員の特徴として雇用環境が非常に安定していることから、働く人たちにも余裕が生まれます。また、働いているのは公務員に求められる知識や人品をクリアしている人たちです。善良な性質の人が多いことも人間関係において、メリットになるでしょう。

そして、公務員の労働環境は非常にホワイトです。安定した給与や福利厚生をはじめ、残業や衛生環境は基本が守られています。国家公務員の中には、激務で過重な労働に直面する職もありますが、近年労働環境が見直され、健全な環境が整えられつつあります。

民間ではどうしても理解が遅れがちなこともある病休や、産休・育休についても理解を得られる世界です。公務員だからこそ、民間の指針となるように、法律で定められた労働者の権利に対して理解を持ち、実践しようという職場が形成されています。

また、雇用の安定性は群を抜いています。基本的にリストラはできません。もちろん正当な理由があっての解雇は存在します。しかし民間企業のように業績不振や会社の経営難を理由にリストラされるということがないため、善良で真面目に仕事をこなしていれば失職の心配がありません。民間企業での終身雇用が崩壊したと言われる昨今、この上なく頼もしい職種だといえるでしょう。

一方で、民間企業のような最新式、あるいはそれに近い設備が整えられにくい特徴があります。多少は古い年式の設備が継続している職場も多く、「最先端の設備が整った職場でバリバリ働きたい！」という希望をかなえるのは難しいかもしれません。しかし、業務には差し支えのない環境が整っているため、過剰な心配をする必要はないでしょう。

どんな仕事内容？

仕事内容は、職種によって様々です。また、同じ職場でも、担当する仕事で内容が変わります。公務員の仕事は、基本的に個人プレーが求められます。もちろん新人には指導がありますし、1人での対応が難しいと思ったときには周囲に助けを求めることも可能です。

役所なら地元の住民の要望を聞くことや、地域密着型の存在として地域の活性化や安定を担う業務が多くなるでしょう。地域の衛生環境、生活が困難な人へのサポート、文化事業などその内容は多岐にわたります。

地域には、役所以外にも公務員の職場が数多く存在します。図書館スタッフや公立学校の教員のように文化を担う職種をはじめ、警察官や消防士のような治安や生命・安全を担う職種と様々です。また、みなし公務員として国立大学で働く人もいます。

役所に限っていえば、数年ごとに異動がおこなわれることも珍しくありません。福祉サービスから観光事業へ、戸籍管理から都市計画へといったケースもあり、公務員として働くあいだに幅広い業務をこなしていくことになります。いずれも地域の機能を円滑に動かし、地域住民の文化的な生活を守る業務です。異動の多さに疲れを感じるタイプなら少々ならずストレスかもしれませんが、新しいことへのチャレンジを楽しめるタイプにはプラスになる制度でしょう。

異動が多いということは、人間関係に躓きを感じても「また異動があるし…」と思えるメリットです。いくら善良な性質の人が多い公務員とはいえ、人間はどうしても相性があるものですし、難しい関係になってしまうこともあるでしょう。異動は、躓きや難しさをリセットし、ほどよい距離感を与えてくれる方法でもあります。

また、異動が多い＝新しい仕事をするのは、「数年ごとに新しいことができるため仕事に飽きない」「仕事に張り合いが出る」という一面もあります。どんなに安定した仕事でも、人によっては同じことの繰り返しに飽きてしまうものです。その点、異動のおかげで定期的に新しい仕事や刺激を受けられるのは、大きなメリットでしょう。

そして地方公務員なら、地域をはじめとした自治体に、国家公務員なら国に密着した仕事をおこないます。どちらも、「地域や国民にとってなくてはならない仕事をしている」という自尊心を持てる仕事です。給与の安定性や福利厚生の充実度に加え、「やりがいのある仕事をしている」実感を持てることは間違いありません。

働くことに関しては、どうしてもメリット・デメリットがあるものです。しかし公務員はメリットが大きいと考えられます。安定性ややりがいを求める人にぴったりの職種です。