公務員試験の年齢制限は?国家公務員と地方公務員の差
公務員試験には必ず年齢制限が設けられています。
以前は厳然とした基準でしたが、昨今では緩和が進み、幅広い年齢層の人が試験に挑戦できるようになりました。
採用する国家や自治体側も年齢に縛られる要素が少なくなり、より多くの優秀な人材を獲得できるというメリットを得ています。
年齢制限があるとはいえ、一律ですべてが同じ年齢ではありません。
職種ごと、区分ごとに異なっています。
本記事では公務員試験の年齢制限について詳しく解説致します。
公務員試験の年齢制限の特徴
雇用対策法の改正により、民間では一部の職種を除き、年齢制限を設けての労働者の募集が禁じられるようになりました。
公務員の世界にもその流れは波及し、続々と年齢制限が緩和されつつあります。
ここでは上限年齢についてチェックしていきましょう。
下限年齢は職種ごとに大幅に異なるうえ、近年では受験資格が「大学卒業程度の学力」「高校卒業程度の学力」といった条件に変化しているため、実力さえあれば下限年齢を問わず受験が可能になっているためです。
これも年齢制限に関する大きな変化であることは間違いありません。
公務員試験の年齢制限の上限は様々です。
職種によって下は25歳まで、上は59歳までと非常に幅広く、職種を選ぶ必要性はありますが、社会にいる多くの人が公務員試験を受けられる世の中になっています。
民間企業から公務員への転職を目指しやすい時代です。
国家公務員の年齢制限
国家公務員と地方公務員を比較すると、国家公務員のほうが上限年齢を若い年代に設定する傾向にあります。
29歳、30歳がおおむねの上限で、それぞれの職種では以下の通りになっています。
・上限29歳:国立国会図書館
・上限30歳:国家総合職、国家一般職、国税専門官、財務専門官、法務省専門職員、外務省専門職員、防衛省専門職員、労働基準監督官、皇居護衛官、食品衛生監視員、航空管制官、裁判所総合職事務官、裁判所総合職家裁調査官補、裁判所一般職、衆議院総合職、衆議院一般職、衆議院法制局
国家公務員の上限年齢は若めに設定されています。
学歴やライフプランによっては上限年齢を超えてしまうケースもありますので、学生の間からしっかりとしたプランを練る必要性があるでしょう。
また、すべての国家公務員の上限年齢が29~30歳というわけではありません。
法務省専門職員の社会人採用枠では40歳、国会議員の政策秘書は64歳という高めの上限年齢もあります。
また、前述の職種よりも若い年齢に設定されていることもあります。
自衛隊の幹部候補(一般)は25歳、参議院総合職は27歳が上限年齢です。
地方公務員の年齢制限
地方公務員は国家公務員と比べ、実に幅広い年齢層での募集をおこなっています。
上限年齢も社会人採用枠を入れれば59歳が最高齢にあたり、定年が60歳の現状では、実質的に年齢制限がないと言えるでしょう。さらには2023年から定年が60歳から段階的に65歳に引き上げられることが決まっており、年齢の幅広さはさらに大きくなります。
もちろん職種によってはもっと年齢幅が狭くなりますが、国家公務員よりは多数の人が活躍しやすい環境です。
行政関係の職種では、上限年齢が34~35歳、なかには39歳という設定の自治体もあります。
とくに行政のなかでは人気の市役所も上限年齢を幅広く設定しており、35歳ほどの自治体も増えつつあります。
例として、山形市では39歳でも試験へのトライが可能です。
さらに、社会人採用試験をおこなう自治体なら59歳での受験も可能です。
自治体にもよりますが、市役所の年齢制限はかなり緩和されているといえるでしょう。
日本社会では「転職は××歳まで!」という風潮がありましたが、時代が変わりつつあります。
これまでは民間企業が肌に合わなかった人、新しいキャリアプランにチャレンジしたい人が年齢によっては踏み出せないこともありましたが、今はそんな時代ではなく、地方公務員として新しいキャリアを目指せる可能性も広がっています。
警察官や消防士の年齢制限
警察官や消防士に関しては上限年齢が低めに設定されています。
身体的な業務も非常に重要な仕事であるため、やはり厳しめの制限が必要だと考えられています。
・警察官:35歳
・消防士:自治体ごとに多少の差があるが、おおむね30歳未満
警察官、消防士ともに、日常的に厳しい訓練をおこなう職種でもあります。
訓練、そして実務に耐えられる身体的な能力のポテンシャルはやはり若さがものを言う事実もあり、上限年齢が低い理由として適切だといえるでしょう。
しかし、警察官の35歳はそこまで若い年齢とは言い切れません。
以前は30歳未満、33歳などの上限でしたが、2021年から緩和されています。
より多くの人が警察官になれる可能性が広がったことになります。
民間の世界では年齢で就職を差別してはいけないという風潮が根付きつつあります。
公務員の世界も徐々に緩和が進み、幅広い人材が国や自治体での仕事を目指せるようになりました。
試験は決して易しいものではありませんが、年を取ってもチャレンジできる環境が整いつつあります。
公務員への就職・転職を目指す人にとって大きなチャンスを掴める時代です。